2025年10月29日から31日まで、Lucca Comics & Gamesに参加しました。会場だけでなく、市内の書店も回り、実際にどのような作品が売場に並んでいるのかを見てきました。
ヨーロッパではさまざまなジャンルのマンガが読まれていますが、商業作品として出版社が求めるものには、ある程度共通する条件があるようです。
面談で何度か聞いたのは、絵のうまさだけで作家を判断するわけではない、という話でした。制作のスピード、修正への対応、一定のページ数を継続して描けるかどうか。実際の仕事では、こうした点も重要になります。
興味深かったのは、最初から単行本一冊を任される必要はないということです。まず表紙を描き、次に短編を担当し、その後に連載へ進む。そうした段階的な入り方もあります。
また、日本側が原作からすべて用意する必要もありません。ヨーロッパ側の原作者がストーリーを担当し、日本側の作家が作画を担当する形も十分に成立するという話を聞きました。
こうした仕事を目指すのであれば、学生に必要なのはポートフォリオ制作だけではありません。締切に合わせて描き、フィードバックを受けて修正し、決められた仕様で納品する。実際の制作現場に近い経験も必要になります。
契約についても繰り返し話題になりました。ヨーロッパでは、アドバンスや制作段階ごとの支払い、税務に関する条件など、日本とは異なる商習慣があります。初めて海外の仕事をする作家が戸惑いやすい部分でもあるため、契約や権利についても教育の中で扱っていく必要がありそうです。
